この章の内容は次のとおりです。
「例外の構成」ページでは、例外の設定と、レポート時に使用されるしきい値の編集が可能です。構成できる例外は、ユーザーの「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域に関係するものに限られます。
「例外セットの構成」ページでは、プランの実行中に計算される例外を制限できます。さらに、例外の計算を行う対象となる組織、品目カテゴリ、期間などの制御もできます。
定義された例外セットは、プランと関連付けられます。プランでは、例外セットと関係付けられたフィルタが使用されて、例外が評価されます。プラン実行時に適用される例外セットは、「プラン・オプション」ページで定義されます。
例外パラメータを編集するには、「例外の構成」ページで例外を選択します。構成できる例外は、ユーザーの「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域に関係するものに限られます。
「例外の編集」ダイアログ・ボックスには、一般プロパティと例外詳細のための領域があります。使用している「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域に応じて、「例外詳細」セクションには次のようなタブが表示されます。
需要管理作業領域: レベル、しきい値および通知
供給プランニング作業領域: レベル、しきい値および通知
プランニング・セントラル作業領域: レベルおよびしきい値
セールス・アンド・オペレーションズ作業領域: レベル、しきい値および通知
メジャーを基準とする例外に対してのみ、レベルとしきい値を編集できます。オーダーを基準とする例外に対しては、しきい値のみを編集できます。
「レベル」タブでは、例外のディメンションは基準メジャーから導かれます。階層およびレベルのデフォルト値が編集できます。
「しきい値」タブでは、例外で使用される基準メジャーが値またはその他のメジャーと比較されます。しきい値が値で指定されている場合、その値は基準メジャーのデータ型で解釈されます。例外の発生時に意味のある値が返されるようにするため、しきい値は適度に高い値または低い値に設定します。
「通知」タブでは、例外の通知ルールを設定します。特定のユーザーまたはロールに通知が発信されるように、例外を構成します。「詳細」セクションで、通知のエンティティと条件を指定します。通知は、プランの実行終了時に自動で送信されます。
「例外セットの構成」ページを使用して、例外セットの作成、修正またはコピーをします。プランで計算される例外セットとそのスコープは、「例外セットの作成」ページまたは「例外セットの編集」ページで構成します。例外セットを作成するには、そのセットに含める例外を最初に指定する必要があります。
例外セットを使用して、特定の組織、カテゴリ、サプライヤおよび顧客に対する例外の生成も制限できます。その後、「プラン・オプション」ページで、その例外セットをプランに対して指定できます。
プランで使用する例外セットに対して適用可能な例外を選択した後、キーとなるプランニング・ディメンションをいくつか選び、それらにフィルタを追加できます。フィルタを定義できるレベルは、組織、カテゴリ、サプライヤおよび顧客です。
「フィルタ」タブの「例外セットの構成」ページで、例外の生成対象となる表の各々について、組織、サプライヤ、カテゴリおよび顧客を1つ以上選択します。あるレベルでフィルタを指定しなかった場合、そのレベルのレコードすべてで例外が発生することになります。たとえば、組織を指定しなかった場合、プラン実行時にすべてのプランニング組織で例外が発生することになります。例外セットのいずれかの組織、カテゴリ、サプライヤまたは顧客がプラン内で無効な場合、それらは無視されます。
「例外期限日数」フィールドには、例外の生成が開始される日を、プラン開始日からの日数で指定します。このフィールドを空白にしておくと、プランニング期間全体を対象にして例外が生成されることになります。
Oracle SCM Cloudには、プラン実行後にプランニング・プロセスで計算される事前定義済の例外がいくつかあります。こうした例外を確認して、注意を必要とする可能性のあるプラン内の問題箇所を特定します。例外を一覧で表示するには、目的のプランを開いて「例外」表を表示します。
例外は、プランの評価と改良に欠かせない要素です。プランの実行後、例外を確認して、プランの品質を把握し、キーとなる問題箇所を明らかにします。キーとなる例外に注目して、根本原因を理解することができます。例外表から他のプラン表示にドリルダウンして、問題箇所を詳細に知ることができます。例外を解消する処置を行った後、プランを再実行して、プランが許容できるものになったかを評価します。
例外タイプとその計算ロジックは、事前定義されています。ただし、重大な逸脱状態のみが検出されるように、例外が発生する条件を編集できます。「プラン・オプション」ページで例外セットを設定することによって、どの例外が計算されるかを制御します。様々な階層レベルの表またはグラフで、例外に関係付けられた、個数別、数量別のようなメトリックを表示します。
事前定義済の例外表を開き、次のフォルダにグループ化された例外を表示します。
需要プランニング例外: このフォルダへは、Oracle Fusion Demand Management、Oracle Fusion Planning Central、およびOracle Fusion Sales and Operations Planningの作業領域からのみアクセスできます。
供給プランニング例外: このフォルダへは、Oracle Fusion Supply PlanningおよびPlanning Centralの作業領域からのみアクセスできます。
セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング例外: このフォルダへは、Oracle Fusion Sales and Operations Planningの作業領域からのみアクセスできます。
複数例外に対するビュー: このフォルダへは、Oracle Fusion Supply PlanningおよびPlanning Centralの作業領域からのみアクセスできます。
例外名に続くかっこ内の数字で、例外の発生件数を知ることができます。例外名をクリックして、例外の詳細が記載された表を表示します。例外表では次のことが可能です。
日付範囲を指定して、特定の品目と組織に対する例外を検索すること。
後で検索するために検索条件を保存すること。
表のスプレッドシートへのエクスポート、列の並べ替え、および表に対するその他の標準的な処理を行うこと。
「複数例外に対するビュー」フォルダにある事前定義済ビューを使用して、品目、リソースまたはサプライヤに対するすべての例外を表示できます。
例外データを表示する表から、コンテキストに沿って他のプラン・データに移動できます。このナビゲーション機能は、たとえばある品目に対する例外の表示中に、その供給やリソースの有効数量も知りたいというような場合に役立ちます。
プランで生成される例外の数を、例外が計算されるレベルとそのしきい値を変化させることで制御できます。一般に、しきい値を高くするほど、生成される例外は少なくなります。
例外のしきい値を構成するには、次のようにします。
いずれかの「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域で、「例外の構成」タスクを選択します。
「例外の構成」ページで、例外を選択します。
「処理」をクリックし、「編集」を選択します。
需要プランニングとセールス・アンド・オペレーションズ・プランニングの例外は、メジャーを基準とする例外です。基準メジャーが、こうした例外の基礎になります。
「プランニング・セントラル」作業領域では、基準メジャーの変更はできませんが、例外が計算されるレベルとそのしきい値の編集はできます。
供給プランニングの例外はほとんどの場合、特定のオーダーに対して計算され、基準メジャーに対しては関係付けられません。こうしたタイプの例外について、例外に関係付けられたファクトを選択し、例外がどのような場合に生成されるかを指定する条件を修正します。ファクトは、例外の属性と考えます。典型的なファクトは数量と値です。
生成された例外の件数や例外に関係する数量のような、例外のメジャーに基づいて、プランで発生した例外を表示する表またはグラフを作成します。
いずれかの「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域でプランを開きます。
「処理」ボタンをクリックし、ドロップダウン・リストから「表、グラフおよび分析セットの管理」を選択します。
「表、グラフおよび分析セットの管理」ダイアログ・ボックスで、「処理」をクリックします。続いて「作成」を選択してから、「表」を選択します。
「表の作成」ページで、次のようにします。
表の名前を入力します。
グループを選びます。
摘要を入力します。
アクセスのタイプを選択します(公開または非公開)。
「メジャー」タブで、次のようにします。
「使用可能なメジャー」セクションで、「全プラン健全性」フォルダを展開します。
全プラン健全性フォルダには、例外に関連するメジャーが含まれています。
表に表示したい例外ファクトを選択します。
「階層」タブで、「例外タイプ」階層を含めます。
「メンバー」タブで、表に表示する例外タイプを選択します。
「保存してクローズ」をクリックします。
いずれかの「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域でプランを開きます。
「処理」ボタンをクリックし、ドロップダウン・リストから「表、グラフおよび分析セットの管理」を選択します。
「表、グラフおよび分析セットの管理」ダイアログ・ボックスで、「処理」をクリックします。続いて「作成」を選択してから、グラフを選択します。
「グラフの作成」ページで、次のようにします。
グラフの名前を入力します。
グループを選びます。
摘要を入力します。
アクセスのタイプを選択します(公開または非公開)。
「メジャー」タブで、次のようにします。
「使用可能なメジャー」セクションで、「全プラン健全性」フォルダを展開します。
全プラン健全性フォルダには、例外に関連するメジャーが含まれています。
グラフに表示したい例外ファクトを選択します。
「階層」タブで、「例外タイプ」階層を含めます。
「メンバー」タブで、グラフに表示する例外タイプを選択します。
「レイアウト」タブで、次のようにします。
「グラフ・レイアウト・オプション」セクションで、グラフのタイプを選びます。
「グラフ・レイアウト・オプション」の下に表示される水平パネルで、グラフを構成します。
「グラフ・レイアウト・オプション」セクションの下に表示される水平パネルは、選択したグラフのタイプによって異なります。たとえば、グラフ・タイプに円グラフを選択すると、水平パネルには「一般オプション」、「円のスライス」および「書式設定」が表示されます。
「保存してクローズ」をクリックします。
カスタム例外を使用することで、サプライ・チェーンで発生する特定の条件を基準にした例外を定義できます。これにより、その条件の発生を特定できます。カスタム例外は、複数のディメンションにわたるレベルと条件の組合せで定義されます。たとえば、カスタム例外は製品ディメンションでは品目で、顧客ディメンションでは顧客サイトで、時間ディメンションでは週レベルで定義することが可能です。カスタム例外の作成には、「例外の構成」タスクを使用します。
事前定義済の例外がすべて、選択したディメンションの最下位レベルで計算されるのに対し、カスタム例外は、より高いレベルでも計算されるようにすることが可能です。サプライ・チェーンの制約に起因して、ある条件が満たされているか、超過しているか、あるいはプラン内でしきい値に到達しているかが、カスタム例外によって評価されます。
カスタム例外は、基準メジャーと呼ばれる特定のメジャーを基準にして作成します。次のしきい値を基準にして例外を作成できます。
値: 値と、基準メジャーに対して「より小さい」、「等しい」、「より大きい」のような特定の演算を設定します。
メジャー: ビジネス要件に基づいてメジャーを選択し、基準メジャーに対して、その条件に合致する特定の演算を選択します。
カスタム例外を使用することによって、ユーザーの関与でビジネスの価値が増すような問題箇所に焦点が当たります。潜在的な問題を正確にあぶりだすことができます。たとえば、前年度の予約や出荷やオーダーと、当該年度のその値との差などです。例外は、ビジネス要件に基づいて定義できます。
カスタム例外の作成方法、例外セットへの割当て方法、プランへの関係付けの方法とプランの実行方法、検出された例外のレビュー方法を理解するには、ここに示す例を参照してください。
表には、カスタム例外のシナリオで使用される例外の名前と、その詳細が示されています。
例外名 | 説明 |
---|---|
調整済記帳履歴が1000未満 |
この例外を使用することで、特定の顧客サイト、品目および日付のすべてで調整済記帳履歴メジャーが1000未満のケースすべてを検出できます。 |
調整済記帳履歴が前年の記帳未満 |
この例外を使用することで、調整済記帳履歴メジャーが、前年の記帳値を下回るケースすべてを確認できます。前年の記帳データは、「1年前の記帳履歴」を使用して表示できます。 |
次の図は、カスタム例外の作成手順を示したものです。
「調整済記帳履歴が1000未満」という名前の例外を、次のようにして作成します。
ナビゲータで、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域をクリックします。
「タスク」パネル・タブをクリックします。
タスク・パネル・ドロワーで、「例外の構成」タスクをクリックします。
「処理」メニュー開き、「作成」をクリックします。
「例外の作成」ページで、次の内容を実行します。
例外名に、「調整済記帳履歴が1000未満」と入力します。
例外グループとして、「需要プランニング例外」を選択します。
基準メジャーとして、「調整済記帳履歴」を選択します。
「レベル」タブで、次の項目を選択します。
顧客ディメンションで「顧客サイト」
製品ディメンションで「品目」
時間ディメンションで「日」
「しきい値」タブで、設定しようとする例外の条件に適合する演算を選択します。この例では、演算として「次より小さい」を、またしきい値として1000を指定します。
「保存してクローズ」をクリックします。
「調整済記帳履歴が前年の記帳未満」という名前の例外を、次のようにして作成します。
いずれかの「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域で、「例外の構成」タスクを選択します。
「処理」メニュー開き、「作成」をクリックします。
「例外の作成」ページで、次の内容を実行します。
例外名に、「調整済記帳履歴が前年の記帳未満」と入力します。
例外グループとして、「需要プランニング例外」を選択します。
基準メジャーとして、「調整済記帳履歴」を選択します。
「レベル」タブで、次の項目を選択します。
顧客ディメンションで「顧客サイト」
製品ディメンションで「品目」
時間ディメンションで「日」
「しきい値」タブで、演算として「次より小さい」を、またメジャーしきい値として「1年前の記帳履歴」を選択します。
「保存してクローズ」をクリックします。
「DM記帳履歴関連の例外」という名前の例外セットを、次のようにして作成します。
いずれかの「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域で、「例外セットの構成」タスクを選択します。
「処理」メニュー開き、「作成」をクリックします。
「例外セットの作成」ページで、次の内容を実行します。
例外名と摘要に「DM記帳履歴関連の例外」と入力します。
「使用可能な例外」から、先に作成した次の2つの例外を選択し、「選択した例外」領域に追加します。
「調整済記帳履歴が1000未満」
「調整済記帳履歴が前年の記帳未満」
「保存してクローズ」をクリックします。
次に、「プラン・オプションの編集」ページを開き、「スコープ」タブで「DM記帳履歴関連の例外」を例外セットとして選択します。「保存して実行」をクリックして、プランを実行します。プランの実行中に例外が計算されます。
プランで発生したカスタム例外を、次のようにして表示します。
「例外」という名前が付いた事前定義済の表を開きます。
表には、プランで検出されたすべての例外が一覧として表示されます。
先に作成した例外を検索します。
「需要プランニング例外」グループの中から、「調整済記帳履歴が前年の記帳未満」という名前の例外を見つけます。
その例外を選択し、右ペインの「検索」オプションを展開します。